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【市場調査】2024年のインバウンド対策. 旅行トレンドと各国の旅行スタイルを分析

著者: インバウンド対策ラボ編集部

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コラム

【市場調査】2024年のインバウンド対策. 旅行トレンドと各国の旅行スタイルを分析

 JTBの2024年予測では、訪日外国人客数は3,310万人となり、対前年131.3%、対2019年103.8%となることが予想されています。コロナ前を上回る過去最高の訪日数が予想されるなか、インバウンド需要を逃さず宿泊予約へと導くために、2023年のデータを分析しながら2024年旅行トレンドと合わせてご紹介していきます。

国別総支出額

データ:【訪日外国人消費動向調査】2023年暦年全国調査結果(速報)の概要 p.1

 2023年の国別総支出額は台湾が1位となりました。2019年で1位だった中国は団体旅行制限などの解禁が8月頃だったこともあってか、僅差で2位となりました。次いで、韓国、アメリカ、香港と続き、この5カ国が他の市場を大きく引き離しています。コロナ前の2019年と比較すると、ロシアを除き各国の消費額が増加しており、訪日旅行需要の高さが伺えます。上位5ヵ国は確実に抑えつつ、他国の集客も力の入れ時かもしれません。

旅行者数

データ:【訪日外国人消費動向調査】2023年暦年全国調査結果(速報)の概要 p.3
資料:インバウンド対策ラボでグラフ・リスト化

 2023年の旅行者数1位は、韓国で約694.4万人でした。2位は台湾で約412.7万人。その後200万人ラインに下がり、中国で約236.3万人、香港約211万人、アメリカ約204.5万人と続きます。消費額に続き、旅行者数でみても上位5ヵ国の顔ぶれは変わりませんでした。
 訪日外国人の消費動向、2023年7-9月期報告書によると、日本への来訪回数では、東アジアからの旅行者は2回目以降が7〜8割に及び、リピーターが多くみられます。韓国、台湾、香港、タイ、シンガポールでは過去1年間に2回以上訪日している割合が1割を超え、気軽に日本への渡航を行う人が一定数いるようです。一方、欧米州では訪日1回目の旅行者が6〜7割の状況です。アジア圏以外の外国人にとって、距離的な観点から日本旅行は一生に一度ということが多いようです。訪日へのアクセス事情が旅行者数に反映されるのは自然なことです。

一人当たりの旅行支出と平均宿泊数

【訪日外国人消費動向調査】2023年7-9月期の全国調査結果(2次速報)の概要 p.4
資料:インバウンド対策ラボでグラフ・リスト化

 訪日外国人1人当たりの旅行支出は平均20.9万円、平均泊数は7.1泊と推計されています。先ほど旅行者数で1位だった韓国は、1人当たりの旅行支出、宿泊日数ともに低いです。一方、最も高いのがフランスとなります。

 次に、平均宿泊日数で2つのグループに分けてみました。赤丸が4〜8泊で、国をみるとアジア勢、緑丸が11〜18泊で欧米豪という結果になりました。欧米豪の平均宿泊数はアジアよりも多い傾向にあります。宿泊数の差の原因を探るため、日本までのフライト時間が8時間未満か、10時間以上かというデータを追加してみました。すると、欧米豪グループのフライト時間は各国10時間以上。アジアグループではインドを除き、各国のフライト時間が8時間未満となり、渡航時間が長いと宿泊数が多い傾向にありました。
 旅行客数が多いことで、東アジアの市場を狙いがちですが、長期滞在ならではのプランや過ごし方を得意とする宿泊施設などでは、欧米豪を狙うのもありかと思います。遠方からの旅行者であるフランス、スペインやオーストラリアなど、アジアとは違う目線で集客できるターゲットとなるのではないでしょうか。

 旅行支出を品目別でみると、宿泊費はフランス、飲食費はイタリア、交通費はスペイン、娯楽等サービス費、買い物代は中国が最も高いです。国によってお金をかける項目が違うようですので、各国の特徴を広告のアピール項目として使ってみるといいかもしれません。

2024年の旅行トレンド × 各国の訪日旅行スタイル

 エクスペディア・グループの2024年の旅行トレンド「Unpack’24」では、日本を含む世界14地域における2万人の旅行者を対象にした調査結果より、6つの旅行トレンドを紹介しています。

1.テレビ番組や映画の影響で旅行先を選ぶ「ロケ地巡り旅」
2.手頃かつ人混みを避けられる、人気旅行先の「そっくり観光地」
3.好きなアーティストを追う「音楽ツアー旅行」
4.旅行中にアルコールを控えて楽しむ「ノンアル旅」
5.「雰囲気重視」のホテル選び
6.旅行における「生成AI時代」


 雰囲気重視のホテル選びでは、口コミに宿泊施設の雰囲気について投稿する旅行者が増えたことで、今後も雰囲気が重視されるだろうとの予想結果です。施設の雰囲気は、口コミだけでなく、Webサイトのデザインや構成を意識することでも伝わります。また、SNSでの発信などでも、ユーザーに雰囲気を届けられる写真や文章を意識すべきでしょう。

アジア向け訪日旅行

 宿泊数は最短で4泊とあまり長くないアジア勢。しかし、距離的な理由でリピート確率は高め。そこで、魅力的なプランを多数打って新鮮さを売りに日本を満喫してもらってはいかがでしょうか。周辺観光紹介では、日本が誇るサブカル、漫画・アニメの舞台を取り入れたり、「ロケ地巡り旅」を含む過ごし方を紹介したりすることで旅行者の関心を得る可能性があります。また、人気過剰で混雑がひどかった「スラムダンク踏切」も、唯一無二であることは百も承知の上ですが、海をバックにした踏切は日本各地にあるはずです。「そっくり観光地」ということで、アピールしたら話題になるかもしれません。

欧米豪向け訪日旅行

 宿泊数が10日以上と日本にどっぷり浸かる時間のある欧米勢。DBJ・JTBFの調査によれば、訪日旅行で体験したいことは、「伝統的日本料理」、「日本庭園の見物」、「自然や風景の見物」に「有名な史跡や歴史的な建築物の見物」。国連世界観光機関(UNWTO)が推奨しているガストロノミーツーリズムとノンアル旅をあわせて、健康になる、体の中からキレイになる日本の郷土料理体験を提供してみてはいかがでしょうか。また、大人気観光地「富士山」にそっくりな観光地として、地元のふるさと富士を紹介してみると地方のディープな部分に触れながら、日本の自然や風景をみる経験もでき、満足度も高くなるかもしれません。

まとめ

 過去最多の訪日旅行数を記録した2023年。そのトレンドは2024年も継続することが予想されます。そしてその勢いを削がないためには、各観光地や宿泊施設が訪日旅行者が求めるプログラムや情報を用意し、さらに各国の旅行スタイルにあった形で提供することで、1回1回の訪日旅行に満足してもらうことが重要です。「魅力的なプランや施設の用意はできたけど、その情報の発信方法や集客方法がわからない。」そんなお悩みをお持ちの方はぜひ、お気軽にご相談ください。

 インバウンド対策ラボ(アビリブグループ)では、多言語サイト制作インバウンドプロモーションインバウンドメディア掲載など各種インバウンド対策支援を行っています。

 特にホテル旅館など宿泊・観光業の実績多数。これまでの知見を活かしたご提案をさせていただきます。

インバウンド対策で課題をお抱えの企業・施設様はお気軽にご相談ください。