インバウンド向けのマーケティング戦略として、Instagramリールは非常に効果的なツールです。特にホテルオーナーにとって、海外からのフォロワーを引き付け、興味を持ってもらうためには、リールの活用がカギとなります。しかし、日本と海外ではリールのトレンドやスタイルが異なるため、どのようにアプローチすればよいか悩むことも多いでしょう。本記事では、海外のフォロワーをターゲットにしたInstagramリールの作成方法と、そのポイントをわかりやすく解説します。
1. インバウンド向けInstagramリール動画の重要性
なぜInstagramのフィード投稿のパフォーマンスが低下したのでしょうか？
その理由は、2020年8月にInstagramリールが導入されたためです。リールがアプリの主要な機能として優先されるようになり、結果的に他の投稿形式は影響を受けました。
フィード投稿から、リール動画投稿に切り替えたアカウントは、エンゲージメント率が安定するか、むしろ向上する傾向があります。
実際、ソーシャルメディア・マネジメントを提供するアメリカ拠点の企業「Later」アカウントではリールを取り入れてからエンゲージメント率が500%以上増加しました。2019年には1.28%だったエンゲージメント率が、2022年には9.09%にまで上昇しています。
LaterのInstagram戦略にはリール以外にも多くの要素が含まれていますが、リールがリーチとエンゲージメントの向上に大きな役割を果たしていることは明らかです。
Laterの81M件のInstagram投稿の調査によれば、2019年のフィード投稿の平均エンゲージメント率は5.16%でしたが、2021年末には2.88%に減少しました。
2. 日本と海外のリール動画の違い
2.1. 各国に合わせたリールの作成方法
特定の国に向けてアプローチする場合、まずその国のコンテンツを検索するのが効果的です。例えば、ハッシュタグを利用したり、興味のあるホテルの海外アカウントを調べたりして、参考になるアカウントや動画を集めましょう。一度ターゲットとなる国とサンプルアカウントが決まったら、リールのトレンドに注意することが重要です。リールのトレンドは週ごとに変わるため、トレンドを長期間維持するものもあれば、少しずつ進化するものもあります。
2.2 ビジネス戦略の違い
✅日本：メッセージ用のアプリとマイクロブログの重視
日本では、LINEやXなどのプラットフォームの特性を活かして、消費者とのコミュニケーションを図る企業が多いです。LINEは、公式アカウントを通じて顧客との直接的なやり取りが可能で、パーソナライズされたメッセージやプロモーションを提供できます。Xは情報の迅速な発信に利用され、リアルタイムでの対話や更新が行われます。
✅西洋：マルチプラットフォーム統合と視覚コンテンツ
西洋では、複数のプラットフォームを統合して異なるオーディエンスセグメントにアプローチする戦略が取られます。Facebookはその広範なリーチと広告機能により、主要なソーシャルメディア戦略の基盤です。Instagramでは、ビジュアルコンテンツに重点を置き、StoriesやIGTV、リールを活用して短いコンテンツを作成します。西洋ではLinkedIn（世界最大級のビジネス特化型SNS）のユーザーも多く、思考リーダーシップや採用に利用され、広範な公共の会話に参加します。
2.3. コンテンツの好みの違い
✅日本の消費者：精密さと詳細性
日本の消費者は、精密で詳細な情報を好みます。Yahoo Japanはこの嗜好の良い参考例です。ホームページには多くの情報が一度に表示され、Googleのミニマリストデザインとは対照的です。日本の人々は、必要な情報を見つけるために、広範なコンテンツを同時に視覚的に把握することに慣れています。この傾向は、彼らのソーシャルメディアの利用にも反映されています。たとえば、日本の食やレストランのインフルエンサーは、写真だけでなく、場所、住所、メニュー、価格といった詳細な情報を投稿に含めます。
日本の消費者は、包括的かつ正確で、テーマに焦点を当てたコンテンツを重視しています。たとえば、「このエリアの食べ物」「この駅周辺の食べ物」「カップル向け旅行プラン」「小さな子供連れ家族向けの旅行プラン」といった特定のカテゴリに特化した多くのソーシャルメディアアカウントが存在します。
✅西洋の消費者：本物さと大胆さ
一方で、西洋の消費者は真実性、大胆さ、共感性に引きつけられます。彼らは、直接的で、エンターテインメント性があり、時にはユーモアのあるコンテンツを好みます。西洋のブランドは、よりカジュアルなトーンを採用し、ミーム（面白い画像や動画が拡散されていく文化）やポップカルチャーの参照、舞台裏の様子を使ってオーディエンスとつながることが多いです。
ユーザー生成コンテンツや口コミも、西洋のソーシャルメディア戦略において重要な役割を果たしています。消費者は、仲間のレビューを信頼し、リアルな体験や正直なフィードバックを示すコンテンツに影響を受けます。視覚的なコンテンツも重要で、注意をすぐに引く高品質な画像や動画に強い関心があります。
2.4. 日本と海外のリールのスタイルの違い
日本のリールは、カラフルなフォントや歌詞のない曲を使用し、AIによる高音の声で説明することが一般的です。シーンの遷移は通常標準的で、クリエイターの顔はあまり見せません。一方、海外では、シンプルなフォントや白いテキストが使われ、低音でリラックスした声が多く、クリエイターが体験しているシーンや顔も見られます。音楽は最新リリースした西洋音楽やミームからのサウンドがよく使われます。
3．インバウンド向けリール動画作成の初心者向けヒント
1. 共感を生むストーリーを構築: ブランドの価値観やターゲット層に響く内容を作成。
2. ブランドの個性を表現: 自社の強みや独自の視点を明確にし、情熱と個性を前面に出しましょう。ブランドの独自性が視聴者とのつながりを深めます。
3. トレンドを活用: 現在のトレンドや話題に、ブランドならではの視点や価値を加えることで、話題性を持たせましょう。
4. 大胆に挑戦: リール作成に「正解」はありません。楽しみながら制作し、そのエネルギーを視聴者にも伝えましょう。
5. 驚きとインパクトを提供: 大きな発表や意外性のある展開を取り入れることで、視聴者を引き込み、再生回数を増やしましょう。
6. オリジナルコンテンツの重視: 他のアプリからリサイクルしたリールは避け、ブランド独自のコンテンツを作成しましょう。
7. 縦型フォーマットの活用: モバイルでの視聴に最適な9:16の縦型フォーマットで、没入感のあるコンテンツを作りましょう。
8. 物語の力を活かす: リールの構成は、魅力的な始まり、中盤、そして強い印象を残す終わりが必要です。
9. 視聴者との視線を合わせる: セルフィーカメラを活用し、親しみやすいブランドイメージを伝えましょう。
10. カバー写真の工夫: フォロワーがフィード投稿をスクロールする手を止めるような視覚的なポイントにしましょう。
11．広範囲にシェア: リールを投稿したら、StoriesやFacebookなど、複数のプラットフォームで積極的にシェアし、ブランドの認知度を高めましょう。
初心者向けの追加ヒント:
1. オリジナルカメラを使用する: 他アプリのウォーターマークが付かず、画質が向上します。
2. カメラ設定は最大限の品質で: HDR設定や最新の携帯を使用しましょう。
3. レンズを拭く: ぼやけた画像をさけるために撮影前にレンズを拭きましょう。
4. 部屋の清潔さを確認する: 汚れた場所は避けるようにしましょう。
5. 広角レンズを使用: スペースが狭い場所を全体的に見えるために、0.5xワイドレンズを使いましょう。
6. 光の条件を考慮する: 天気の良い日に自然光を活用したり、全てのライトをONにして撮影しましょう。また、落ち着いた雰囲気を演出したい場合は、夜の窓から差し込む光をカーテンで遮り、ベッドライトなどを活用するのも効果的です。
7. 水面のラインをカメラの画面に設定: カメラを斜めにしないようにしましょう。またはジンバルの使用も検討してください。
結論
Instagramリールは、海外のフォロワーを引き付けるための強力なツールです。日本と海外ではリールのトレンドやスタイルに違いがありますが、適切なリサーチと戦略を用いることで、グローバルなオーディエンスを効果的に引き込むことができます。これらのヒントを参考にして、魅力的なリールを作成し、より多くの外国人フォロワーとのエンゲージメントを図りましょう。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。私たちAbilive Groupでは、SNSの世界での成功をサポートし、ブランドアカウントのエンゲージメント率向上やフォロワー数の増加をお手伝いいたします。AbiliveのSNSチームは、豊富な経験を持ち、数多くのホテルのコンテンツ制作やプロモーションを成功に導いてきました。インバウンドプロモーション ・ SNSマーケティング支援・プライムインフルエンサーなど各種インバウンド対策支援も行っています。
ご質問がある場合や、SNSアカウントにキャンペーンや広告を実施したい、Instagramを通じて予約数を増やしたい、インフルエンサーを招いてコンテンツを作成しファンベースを拡大したいとお考えでしたら、ぜひ下記の問い合わせフォームからご連絡ください！
