
韓国ではSNSの利用率が高く、中でもInstagramリールをはじめとするショートフォーム動画の浸透は目覚ましく進んでいます。Opensurvey Inc.によるとショート動画視聴体験率は2022年の56.5%から2024年には82.7%へと急上昇し、旅行・美容・飲食・ファッションなど幅広い分野で集客やPRに活用されています。いまや韓国においてショート動画は日常生活に欠かせない存在です。
そのため、韓国からのインバウンド集客を狙うなら、現地ユーザーに「刺さる」クリエイティブの傾向を把握することが重要です。
本記事では、韓国Instagramリールに見られる特徴やジャンルごとの傾向を整理し、インバウンド施策に応用できる「韓国らしい表現スタイル」をご紹介します。
(参考:https://blog.opensurvey.co.kr/article/socialmedia-2024-2/)
1. サムネイルのトレンド

発見タブやプロフィール欄で表示されるサムネイル(表紙画像)は、リールをクリックしてもらうための重要な入口です。
韓国Instagramリールにおけるサムネイルでは、写真を大きく見せつつ、2〜3行程度のテキストを配置するシンプルなスタイルが主流です。テキストは「〇〇にできた〇〇がコンセプトのカフェ」といった概要表現にとどまり、具体的な店舗名や詳細は動画を見て初めて分かるように設計されています。
日本ではデザインを作り込んだサムネイルも多く見られますが、韓国では写真+テキストで直感的に内容を伝える傾向が強く、よりシンプルな構成が目立ちます。
2. 韓国Instagramリール動画に共通するトレンド
韓国におけるリール動画には、大きく3つの共通点があります。

① テキストデザイン
・字幕は縦書きはほとんどなく、基本は横書き。
・白文字+黒縁のゴシック体が定番で、読みやすさを重視。
・強調したい部分には黄色を使うケースが多い。
② テンポの良い編集
韓国におけるリール動画は、短いカットを繋いでテンポよく見せる編集が特徴です。
同じ尺でも日本よりスピーディに感じられます。
この背景には、あらゆる物事をスピードを重視して行う韓国人の国民性を表す「パリパリ(早く早く)文化」が影響しているとも考えられます。

③ アフレコ
BGMだけでなく、本人の声を使ったナレーション(アフレコ)が多いのも特徴です。
日本でもAI音声を使ったナレーションは目立ちますが、韓国では本人が吹き込むケースが多く、より親近感やユーモアを演出しています。
さらに「ドキドキ」「ワクワク」といった実際言葉として発しない擬音語を字幕で表現するのも特徴で、これは韓国の動画全般によく見られる特徴です。
3. ジャンル別に見るリール表現のトレンド
では、ジャンル別ではどのような違いがあるのでしょうか。

【ファッション・美容系】
閲覧者や発信者も女性が多いことから、女性ウケのかわいらしい表現が目立ちます。
・ピンクや黄色などパステルカラーのテキストを多用
・手書き風フォントや絵文字の組み合わせ
・コスメやアイテムの雰囲気に合わせ、かわいらしい世界観を統一

【旅行・グルメ系】
閲覧者にとって有益となる詳細な情報を掲載していることがほとんどで実用性が高いのが特徴です。
これは、Instagramを「情報収集ツール」として活用する韓国ユーザーのニーズに合わせたスタイルともいえます。
・施設の入場料やカフェのメニューの価格など、具体的な費用を字幕で表示
・店舗名や観光地の基本情報も字幕で明記し、保存・シェアしやすい工夫

【ライフスタイル・日常系】
短いカットの中でも、さらに早送りすることも。
生活に密着した題材をユーモラスに見せるのが特徴です。
・レシピ動画では倍速の動画をつなぎテンポの速さをより強調
・ペットや子育て動画は「癒し+笑い」を掛け合わせ、共感を呼ぶ演出が多い
まとめ
韓国におけるInstagramリールは、テンポの速さや親近感のあるアフレコ、情報性を重視した字幕など、生活に根ざしたスタイルが特徴です。ジャンルごとに表現スタイルが異なる部分もあり、日本のリール文化とは違う側面も多く見られます。インバウンド施策を考える際には、こうした「韓国らしいクリエイティブ」を取り入れることで、現地ユーザーの心に響く発信が可能になるのではないでしょうか。
さらに、韓国の最新トレンドを的確に捉え、話題性や流行を取り入れたコンテンツ制作を行うことで、より高いエンゲージメントと拡散効果が期待できます。
インバウンド対策ラボ(アビリブグループ)では、 SNSマーケティング支援 ・ アビリブインフルエンサー ・ インバウンドプロモーション ・ インバウンド広告のサービスなどのインバウンド対策支援を行っています。特にホテルや旅館など、宿泊・観光業の実績多数。これまでの知見を活かしたご提案をさせていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。