
インバウンドビジネスを考える上では、どの国でどの時期に多くの観光客が日本を訪れるのかを正確に把握することが重要です。国によって休暇の時期や過ごし方も異なるため、その傾向を知っておくことが集客成功の鍵となるでしょう。
今回は、韓国の休暇とその過ごし方の紹介をしていきます。
1. 韓国の主な休暇制度

韓国では、日本と同様に法定有給休暇に加え、国民全体が休む祝日や記念日が多く存在します。特に以下の期間は全国的に長期休暇が取りやすく、旅行需要が高まります。
✔ 旧正月(ソルラル)
毎年旧暦1月1日前後に3連休が設定されていて、韓国で最も大きな休暇の一つです。年によっては前後の土日と合わせて5〜6連休になる場合もあり、合わせて休みを取る人もいます。実家に帰省する人も多いですが、海外旅行に行く人も非常に多いです。
✔ 秋夕(チュソク)
旧暦8月15日を中心に3連休があり、こちらも帰省が主目的とされています。近年は海外旅行に出かける家庭も増えています。カレンダー次第で旧正月と並ぶ大きな連休の一つになるため、特に週末とつながる年などは、航空券の価格が急騰する傾向にあります。
✔ 夏季休暇
多くの企業では、7月下旬から8月上旬にかけて、1週間程度の夏季休暇を設けていることが多いです。学生の夏休みとも重なり、国内外の旅行が最も活発になる時期です。
✔ 大型連休
他にも、祝日と週末の並びによって発生する長期連休があります。例えば日本のゴールデンウィーク付近である5月の「子どもの日」や10月の「開天節」が週末とつながると、4〜9連休になることもあります。年末年始は元旦のみが祝日ですが、この時期に休みを取る人もいます。
2. 海外旅行が増えるタイミング
韓国では休暇シーズンに旅行需要がピークを迎える傾向にあります。また、多くの人が旅行に出る傾向があるため、そうしたシーズンと航空券価格が密接に関係していることも面白い点です。
✔ 旧正月(ソルラル)
毎年旧暦の1月1日で、通常3日間の連休となります。この時期は、国内の交通機関が非常に混雑するため、海外旅行を選ぶ人も増えてきています。行き先はさまざまですが、この時期は訪日旅行を選ぶ人も多く、日本では韓国人観光客がとくに増える時期です。
✔ 秋夕(チュソク)
毎年旧暦の8月15日で、ソルラルと同様に3日間の連休となります。ソルラルと同様に、故郷への帰省と海外旅行の選択肢が分かれる時期です。
✔ 夏休みシーズン(7月末〜8月中旬)
旧暦の祝日は旅行のために休暇としては、夏季休暇を長めに取る人も多くいます。温暖な気候と長い休暇を利用して、ビーチリゾートやヨーロッパ、アメリカなどへの長距離旅行が増加する傾向にあります。
✔ 大型連休
5月や10月の4〜5日程度の連休でも、日本をはじめ、時差の少ない台湾・香港・フィリピンなどに行く人も多いです。また、年末年始に海外旅行をする人も一定数います。韓国では旧正月のほうが重要度が高く、日本ほど混まない傾向がありますが、クリスマス休暇と合わせて長距離旅行に行く人もいます。
3. 韓国人の訪日観光のピークタイミング

韓国からの訪日観光客のピークはお正月から2月にかけての冬休み・春休みシーズンです。これは休暇シーズンで考えると、旧正月の時期と重なっていることがわかります。
2番目の大きなピークは、7月と8月の夏休みシーズンに見られ、夏季休暇の時期と重なります。反面、秋夕の時期は訪日観光客数という意味では大きく伸びてはいません。コンスタントに一定の訪問があるため一概には言えませんが、訪日需要が最も大きくなる傾向にあるのは、旧正月・夏休みシーズンと言えるでしょう。
4. 韓国人の休暇の過ごし方
韓国人にとって海外旅行は非常にメジャーで、国民のパスポート取得率も高いです。旅行の形もさまざまで、休暇によって家族旅行が多い時期、バカンスが多い時期なども見られます。
・ 家族旅行
旧正月や秋夕といった伝統的な祝日には、故郷で親戚一同が集まるのが一般的ですが、最近では家族で温泉地やリゾートホテルに出かけるケースも増えています。
・ バカンス旅行
とくに夏季休暇の時期が人気で、ビーチリゾートや避暑地で過ごす人が多いです。国内では済州島や釜山、海外では東南アジアのビーチリゾートやハワイなどが定番のバカンス先とされています。また、グルメへの関心が高まっており、特に日本食の中でも寿司や焼肉などの高級料理が人気を集めています。韓国では「おまかせ寿司」や「ワインかせ」などの新しい食文化が登場し、注目されています。(出典:やまとごころ)
・友人との旅行
若者を中心に、友人とグルメ旅やショッピングを楽しむ旅行も近年では人気です。写真映えするカフェや観光スポットを巡る目的であることも多いようで、短めの連休で日本に訪れる場合はこうした需要も大きいです。
まとめ
韓国の祝日は、多くの人が旅行に出かける時期で、そうした意識は日本よりも大きいと言えます。シーズンとしてはある程度決まった時期に旅行をする傾向にありますが、目的地は人によりさまざまです。
また、訪日については常に一定の需要があるため、必ずしも休暇と合わせて訪日観光客が増えるとは限らないと言えます。ただ、冬の大型連休である旧正月は、旅行先として日本も非常に人気があるようです。
こうした傾向を把握しておくと、集客の際により効果的な施策が検討できるでしょう。
参考になる記事:
【インバウンドカレンダー徹底解説】訪日需要を最大化するための戦略ガイド
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