AI活用も普及してきた昨今、Webブラウザの自動翻訳機能の精度はますます高まり、海外ユーザーは日本語サイトの翻訳表示のみでもある程度の情報収集が可能になりました。そんななかで、費用をかけて、様々な言語でサイトを用意する必要はあるでしょうか。今回は、多言語サイトがもたらす恩恵に数字で迫ってみました。
Webブラウザの自動翻訳機能について
まずは、Webサイトを自動翻訳してくれるWebブラウザについて簡単に説明します。代表的なのは、日本でもシェアの高い検索エンジンであるGoogleが提供するChrome(クロム)というブラウザアプリです。
Googleサービスとの連携が充実していて操作性も高いことから、スマートフォンなどの標準装備となっていることも多いです。133言語に対応しており、世界的にも利用者が多く、人気の検索ブラウザです。クロムの自動翻訳機能では、例えば、日本人が海外サイトを訪問した際に、日本語での表示を提案してくれます。
Webブラウザの自動翻訳は、クロムに限った機能ではなく、Windowsで提供されているMicrosoft社のEdgeやApple社のSafariでも誰もが利用できます。
ひと口に自動翻訳と言っても一様に同じ翻訳結果が表示されるわけではなく、各社が独自のエンジンを組み、様々な学習をさせ、その学習を元に言語を翻訳しています。ある調査では、翻訳エンジンそれぞれで、ビジネス・教育、医薬分野など得意分野がありそうだという結果も出ています。
Webブラウザの自動翻訳では足りないこと
日本語サイトのみの運用で、Webブラウザの自動翻訳機能だけに頼った場合、次のことが危惧されます。
・方言や特定の地域特有の言語が翻訳されない
・キャッチコピーや皮肉・ユーモアなどの解釈が必要なテキスト表現の誤訳
・文章量の増減による表示崩れ、画像内テキストの未翻訳
・SEOの機会損失
冒頭3つのような状態は、ユーザーのサイト離脱率を高める恐れがあります。最後のSEOについては、そもそもユーザーがサイトを見つけられるかに関わる重要な点です。Webブラウザの自動翻訳機能はあくまで日本語サイトにたどり着いたユーザーの補助ツールであることを忘れないでください。
多言語サイトではユーザーの予約サイトへの遷移率が高い!
前置きが長くなりましたが、いよいよ本題です。ここで紹介するのは、多言語サイトを有する10の宿泊施設サイトについてです。多言語サイト利用ユーザーと日本語サイトのみを利用した外国語ユーザーの行動を比較しました。日本語サイトのみを利用した外国語ユーザーの多くは、恐らくWebブラウザの翻訳機能を利用していることでしょう。それぞれのユーザーの自社サイトから予約サイトへの遷移率を抽出しました。予約獲得数ではなくサイトへの遷移率を指標とした理由は、予約画面は予約に特化したシステムを利用するケースが多いからです。予約システム画面の表示言語やUXの影響を排除するため、公式サイトを訪問して予約したくなった割合を調査しました。
結果は、10サイトのうち8サイトで多言語サイト利用ユーザーの予約サイト遷移率が高くなりました。統計的にも有意な差となり、多言語サイトは、Webブラウザの自動翻訳機能よりも予約意欲を高める効果があると言えるでしょう。
データの特徴について少し触れておきますと、多言語サイト利用ユーザーと日本語サイトのみを利用した外国語ユーザーの数はサイトによって傾向が違います。前者と後者がほぼ同数のサイトもあれば、差があることもありました。また、DホテルとJホテルについては海外向けの広告配信を行っている期間がありました。
今回調査したサイトの中には、制作コスト削減や新着情報の早期反映のために、自動翻訳ツールを導入している多言語サイトもあります。その場合も、アビリブではSEOの強化が行えるURLを準備したり、表示崩れが起きないようデザインを工夫したりしています。翻訳精度もネイティブチェックを行う工程を挟むなどグレードの調整も可能です。
まとめ
ユーザーにとって適切な言語で情報を収集できることは、高いUXを生み出し、予約サイトへの遷移につながることを実証しました。Webブラウザの翻訳機能では提供できない価値がある点で、多言語サイトは非常に重要なコンテンツです。
インバウンド対策ラボ(アビリブグループ)では、多言語サイト制作・インバウンドプロモーション・インバウンドメディア掲載など各種インバウンド対策支援を行っています。
特にホテル旅館など宿泊・観光業の実績多数。これまでの知見を活かしたご提案をさせていただきます。
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