
訪日インバウンド集客において、東南アジア、特にタイ市場は近年ますます重要性を増しています。親日的な文化背景とリピーター率の高さから、プロモーション対象として非常に魅力的なエリアです。
こうしたタイ市場に向けて効果的に情報を届けるためには、現地の言語で発信され、かつタイ人の旅行スタイルやニーズを深く理解しているメディアを選定することが不可欠です。
本レポートでは、タイ人旅行者向けに日本の観光・文化・ライフスタイルなどを紹介している代表的な6つのメディアを取り上げ、それぞれの特徴、影響力、情報発信の傾向を整理します。
1. タイ向けインバウンドメディア一覧
1. Chill Chill Japan (チルチルジャパン)
Chill Chill Japanの概要・特徴
2015年に開設されたタイ人向けの訪日旅行情報サイトで、月間約150万P*、65万UU**を誇ります。
*PV = ページビュー(Page Views)
**UU = ユニークユーザー(Unique Users)
特にSEO対策に優れ、「日本旅行」に関連するタイ語検索で多くのキーワードが上位表示されており、訪日前のリサーチツールとして高い信頼を得ています。旅マエ・旅ナカともに利用率が高く、タイ人旅行者の約6割が日本滞在中にもアクセスするなど、実用性の高いサイトとして定着しています。
Chill Chill Japanのコンテンツ
日本各地の観光情報やグルメ、ショッピングスポット、交通手段などを、タイ語で分かりやすく紹介しています。
初心者向けガイドから地方特集まで幅広く、特に「初めての日本旅行」シリーズや、季節別のおすすめ観光地紹介記事が人気です。
Chill Chill Japanメディアと関連SNSのアクセス数
月間PV: 約150万
月間UU: 約65万
Facebookフォロワー数: 約18万
URL
https://chillchilljapan.com/
出典: Media Guide2023・タイ向け訪日Webメディア「チルチルジャパン」
2. We Love To Go (ウィーラブトゥーゴー)
We Love To Goの概要・特徴
日本およびタイ国内旅行情報を扱う大規模旅行メディア。特にFacebookでの影響力が圧倒的で、フォロワー数は230万人以上。
動画や写真を多用した視覚的に訴求力のあるコンテンツを軸に、ファミリー層やカップル層への訴求が強く、日本の観光地紹介でも安定した閲覧数を誇ります。
We Love To Goのコンテンツ
グループ旅行や家族旅行に適した観光地、ショッピング情報、季節のおすすめプランなど。現地レポート形式の記事や、同行者視点の体験レビュー記事が特に人気です。
We Love To Goメディアと関連SNSのアクセス数
Facebookフォロワー数: 約230万
We Love To Go Facebook
3. MARUMURA (マルムラ)
MARUMURAの概要・特徴
日本に関するあらゆる情報を発信するタイ語総合メディア。年間約1,300万PV、UUは約270万人にのぼり、訪日旅行に限らず、日本文化、生活、エンタメ、アニメ、語学など幅広いジャンルを網羅。2017年にはJNTO主催のJapan Tourism Awardを受賞し、日本関連メディアとしての信頼性も高いです。
MARUMURAのコンテンツ
日本のエリア特集、日本での生活体験、地方の知られざる魅力、季節の行事、最新の日本ドラマ・アニメ情報などを展開。現地タイ人ライターによるリアルな声や、日本在住者からの投稿が読者の共感を集めています。
Facebook上では「ไม่ใช่กรูรู แต่กรูรู้ ของถูกในโตเกียว(達人じゃないけど、東京が物価が安いことは知ってるよ~)」というコミュニティを運営しており、29万人以上のフォロワーを持ち、リアルタイムな情報交換の場として活発に利用されています。
MARUMURAメディアと関連SNSのアクセス数
月間PV: 約110万
月間UU: 約23万
Facebookフォロワー数: 約30万
Facebookコミュニティ: 約29万
YouTube登録者数: 約8.3万
出典: Cele Navi
4. FAV A GOOD TRAVEL / FAV A GOOD TIME
FAV A GOOD TRAVELの概要・特徴
日本旅行に特化したタイ語Webメディア。月間約130万PVを持ち、旅行先の魅力を感情的・ビジュアル的に伝えるコンテンツが多いのが特徴です。記事の多くが共感性の高い視点で構成されており、SNSとの連動企画や読者参加型のプレゼントキャンペーンなども積極的に行っています。
FAV A GOOD TRAVELのコンテンツ
フォトジェニックな観光地紹介、日本の地域別イベント、グルメレポートなどが主力。
特に「タイ人に人気の日本の町TOP10」や、自治体と連携したオリジナルグッズ企画などが多くの閲覧を集めています。
FAV A GOOD TRAVELメディアと関連SNSのアクセス数
月間PV: 約130万
SNSフォロワー数: 約8.4万
URL
https://travel.fav-agoodtime.com/
出典: PR Times
5. Tiewyeepoon (ティアゥイプン)
Tiewyeepoonの概要・特徴
地方観光情報にも強い日本旅行専門メディアで、月間PVは60万前後。
2017年にはJapan Tourism Award(JNTO)を受賞し、情報の正確性と構成力が評価されています。旅行初心者からリピーター層まで幅広い読者層を持っています。
Tiewyeepoonのコンテンツ
地方都市の特集、交通案内、宿泊施設レビュー、イベント情報を中心に展開。特に「北海道完全ガイド」や「新幹線の使い方マニュアル」など、初心者にも分かりやすい解説型コンテンツが支持を集めています。
Tiewyeepoonメディアと関連SNSのアクセス数
月間PV: 約60万
Facebookフォロワー数: 約28万
出典: インフォキュービック・ジャパン「東南アジア・タイのローカルメディア大特集 〜日本人が知らない⁈独自に進化するタイメディア〜」(2024年)
6. Talon Japan (タロンジャパン)
Talon Japanの概要・特徴
Facebook上で最大規模の日本旅行コミュニティを運営するメディアで、グループ会員は100万人超。リアルな口コミ・体験談が集まる場として、訪日リピーターや旅行検討者の交流拠点として機能しています。Webメディア本体とSNSを連動させて情報発信を強化中。
Talon Japanのコンテンツ
訪日旅行の基本情報、格安航空券やクーポン情報、実際に旅行した読者の体験記事が主力。グループ内では「今どのエリアが人気か」といったリアルな声がリアルタイムに飛び交っています。
Talon Japanメディアと関連SNSのアクセス数
月間PV: 約40万
Facebookページフォロワー数: 約16万
Facebookグループメンバー数: 約42万
URL
https://www.talonjapan.com/
出典: インフォキュービック・ジャパン「東南アジア・タイのローカルメディア大特集 〜日本人が知らない⁈独自に進化するタイメディア〜」(2024年)
2. まとめ
タイからの訪日観光客数は年々増加しており、現地言語で高品質な情報を発信するインバウンドメディアの存在は、旅行者にとって不可欠な情報源となっています。今回ご紹介した6つのメディアは、それぞれ異なる視点とアプローチで、タイ人旅行者の期待に応えるコンテンツを展開しています。
今後、タイ市場に向けたプロモーションを展開する際には、こうした現地メディアとの連携が、訪日前から訪日中に至るまでの情報接点を創出し、訪日体験の質を高める鍵となるでしょう。タイ人旅行者の心をつかむ戦略的な施策の一環として、これらのメディアの活用をぜひご検討ください。
アビリブグループは、国内15拠点に加え、海外6拠点を展開。タイにはバンコクに支店を構え、現地のトレンドやユーザー行動に基づいた、実践的かつリアルな視点からのサポートが可能です。
インバウンド対策ラボ(アビリブグループ)では、インバウンドプロモーション・インバウンド広告・多言語サイト制作・などのインバウンド対策支援もしています。特にホテルや旅館など、宿泊・観光業に特化してい実績も多数あります。