
〜インバウンド集客を成功に導くSNS活用術〜
急速な経済成長と若年層人口の多さから、ベトナムは多くの日本企業にとって魅力的な市場となっています。日本政府観光局(JNTO)によると、今年1月から3月にかけての訪日ベトナム人数は18万8200人に達し、累計で過去最高を記録しました。
また、アメリカ中央情報局(CIA)が発行する『The World Factbook』によれば、ベトナムの平均年齢は約33歳と非常に若く、日本の約48歳と比べると15歳近い差があります。こうしたデジタルネイティブ世代が社会の中心を担っており、SNSを通じた情報収集やコミュニケーション、さらには消費行動にも積極的に関与しています。
本記事では、ベトナムで人気の主要SNSプラットフォームとその特徴、そして最近のトレンドを解説します。
1. ベトナムの主要SNSプラットフォーム
ベトナムで特に利用率が高いSNSプラットフォームTop5を紹介します。

1位: Facebook (89.6%)
Facebookはベトナムで最も人気が高く、9割近くのシェアがあります。
ベトナム人と知り合った際には、FBアカウントの交換から交流が始まります。
情報収集、友人との交流、ニュースの閲覧、コミュニティ参加、そして近年ではライブコマースや商品購入の場としても広く活用されており、日本旅行好きのコミュニティ等でも日々情報交換が行われています。特に、ベトナム人が日本へ観光するには観光ビザの取得が必須であり、ビザ取得条件等の情報交換にも活用されています。
2位: Zalo (86.6%)
Zaloはベトナム国産のメッセージングアプリです。
日本の『LINE』とよく似た使われ方をしています。現地スタッフとのコミュニケーションの為に、ベトナムへの出張者や駐在員が真っ先にインストールするアプリでもあります。
メッセージのやり取りだけでなく、公式アカウントによる情報発信、公共料金の支払い、友人間の送金など、多機能プラットフォームとして国民的な人気を誇ります。
特に、企業のカスタマーサポートや、クローズドなコミュニケーションによく利用されています。
3位: TikTok (80.9%)
TikTokは、ショート動画の手軽さと人気から驚異的な成長を続け、8割の利用率です。
特に若年層からの絶大な支持を集め、トレンドの発信地となっています。
エンターテイメント性の高いコンテンツに加え、「TikTok Shop」を通じたライブコマースも非常に活発で、多くの企業がマーケティング・販売チャネルとして重視しています。
街中やカフェでもショート動画の撮影や再生をしている人を多く見かけます。
4位: Messenger (80.1%)
Facebookに付随するメッセージングアプリであるMessengerも、8割の利用率です。
多くのFacebookユーザーがそのまま利用しており、友人や家族との気軽なコミュニケーションはもちろん、企業アカウントとの問い合わせやカスタマーサポート、チャットボットを活用した自動応答など、ビジネスシーンでの利用も広がっています。レストランの予約なども公式のMessengerで行えることが多いです。
5位: Instagram (53.7%)
Instagramは、5割程の利用率です。写真やリール動画を通じて、ファッション、美容、グルメ、旅行といったライフスタイル関連の情報収集や発信に活用されています。
特に都市部の若年層や女性に人気が高く、ブランドの世界観を視覚的に伝えたり、インフルエンサーと連携したりするマーケティングに適しています。日本の観光地情報や最新の飲食店の情報等は人気のコンテンツです。
2. SNSの利用時間(月あたり)
SNSの利用時間が特に多いTop3を紹介します。

1位: TikTok (月間 41時間45分)
1ヶ月に平均41時間45分、1日あたりに換算すると約1時間23分以上に相当します。
次々に表示されるショート動画の魅力や、活発なライブコマースの視聴などが、ユーザーを長時間惹きつけている要因と考えられます。
2位: YouTube (月間 25時間21分)
月間平均25時間を超え、1日あたり約50分に相当します。多様なジャンルの動画コンテンツ(エンタメ、音楽、学習、ハウツーなど)が揃っており、特に長尺の動画も多いため、ユーザーがまとまった時間を費やしていることが伺えます。
3位: Facebook (月間 20時間48分)
利用率でトップだったFacebookは、利用時間でも3位と、依然として高いエンゲージメントを維持しています。月間平均約21時間、1日あたり約42分に相当します。
ニュースフィードの閲覧、友人との交流、動画視聴、グループでの活動など、様々な目的で長時間利用されていると考えられます。生活に根付いた総合的なSNSとして、ユーザーの時間を多く獲得しています。
3. まとめ
ベトナムではFacebookが最も利用されており、日本で人気のX(Twitter)と比べユーザー数は3倍にもなります。また、日本でシェアの多いLINEの代わりに国産アプリのZaloが高いシェア率を持ち、今やベトナム人の生活にかかせないツールとなっています。
ベトナムのSNS市場は非常に活発でトレンドの変化が速いのが特徴です。
最近ではAIを活用したデータ分析も注目されています。ベトナム市場向けのインバウンド戦略を考える上では、単に「多くの人が使っているか(リーチ)」だけでなく、「ユーザーがどれだけ熱中しているか(エンゲージメント)」を示す利用時間も考慮に入れることが重要です。
特に若い世代ではSNSを検索エンジンとして使う傾向があります。
Z世代の40%以上が従来のツールではなくTikTokやInstagramを使って情報を検索しています。
また、最近は洗練されたコンテンツよりも実生活を感じられるリアルなコンテンツが好まれるというトレンドがあります。企業の従業員が作成したコンテンツも増加しており、ユーザーに親密さをもたらすコンテンツによって企業のブランディング確立と商品の販売の場として利用しています。インバウンドでは、ホテルや飲食店の従業員のアットホームな雰囲気のコンテンツ等が好まれそうです。
ベトナム市場向けインバウンドを成功させるためには、各プラットフォームの特性とターゲット層を理解した上で、最適な戦略が求められます。
アビリブグループは、国内15拠点に加え、海外6拠点を展開。ベトナムにはホーチミンとハノイの2つの支店を構え、現地のトレンドやユーザー行動に基づいた、実践的かつリアルな視点からのサポートが可能です。
インバウンド対策ラボ(アビリブグループ)では、 SNSマーケティング支援 ・ アビリブインフルエンサー ・ インバウンドプロモーション ・ インバウンド広告のサービスなどのインバウンド対策支援を行っています。特にホテルや旅館など、宿泊・観光業の実績多数。これまでの知見を活かしたご提案をさせていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。