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インバウンド旅館体験の向上:インバウンド旅行者が直面する課題の解決

著者: インバウンド対策ラボ編集部

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コラム

インバウンド旅館体験の向上:インバウンド旅行者が直面する課題の解決

 日本全国の旅館にとって、日本文化を楽しもうとする訪日観光客を迎えることはとても魅力的なものです。しかし、多くの外国人旅行者にとって旅館の宿泊を予約することは、とても難しく感じることがあります。
 この記事では、訪日観光客が旅館を予約し、滞在する際に直面する一般的な課題に焦点を当て、旅館が世界中のゲストにとっての体験を向上させる方法を探求します。

1.部屋の選択、食事プラン、食事制限

 旅館を予約する際、外国人旅行者が直面する主要な課題の1つに、部屋タイプと食事の選択が挙げられます。例えば特別会席など特定の食事を選ぶと、スイートなど特定の部屋に制限されることがあります。このような制限は健康上の理由や宗教的信念による食事制限がある旅行者にとっては特に問題となります。一部の旅行者は、ベジタリアンやアレルギー対応の食事など、特別な食事が必要な場合があり、これは予約プロセスを複雑にすることがあります。予約を最大化する為には部屋タイプや食事に捉われず、柔軟に対応するようにしましょう。

2.予約システムの違い

 外国の予約プラットフォームは、シンプルにチェックインとチェックアウトの日付を記入する一方で、日本の予約システムは泊数を数える必要があり、複数泊する外国からのゲストはがしばしば混乱のもととなります。また、予約の際に外国人が不慣れな「ふりがな」の必須項目があることも問題の一つです。このような問題を解決するのに、国際事情・文化などの知識が必要となりますので、サポートする文化的な感受性と多言語スキルを持つスタッフが必要です。ただ、OTAの仕様を変えることは難しいので、まずは自社HPの予約システムを見直してみてはいかがでしょうか?
 翻訳された予約手順、チェックイン/チェックアウト手順、および文化的な説明を提供し、予約プロセスのシンプルなフォームの作成をおすすめします。これらの対策は、アクセシビリティを向上させ、予約プロセスを効率的に進め、外国人旅行者にとってより歓迎される環境が提供できます。

3.本格的と利便性

 訪日観光客は旅館に対して、本格的な日本文化に根ざした没入型の体験を求めております。ただし、本格的さと利便性のバランスは訪日観光客にとってハードルとなることがあります。
 一部の旅館は、本格性を高めるための特定の部屋やプランを提供していますが、これが外国人旅行者の選択肢と快適さを制限する可能性があります。本格性を保ちながら外国人旅行者の多様なニーズに対応するといったバランスを取ることは難しいかもしれませんが、すべてのゲストにとってポジティブな体験を確保するためには重要な要素です。

4.多言語サポートと文化的理解

 日本ファイナンス社による調査によれば、多くの日本の企業は訪日外国人観光客とのコミュニケーションに備えていないことが明らかになっています。例えば、回答者の88.8%は外国語をサポートするWEBサイトを持っておらず、わずか0.6%のみがインバウンド向けに積極的に広告宣伝しています。多くの回答者は言語の壁を理由に外国人旅行者を受け入れるのに躊躇しており、66.7%が言語のスキル不足を主要な懸念事項として挙げています。これらの問題に対処するためには、インターネット予約環境の改善、多言語サポートの提供、ウェブサイト機能の向上などが必要です。
 日本観光庁(JTA)は、2017年に「外国人観光客向けの受付環境を向上させるための日本での多言語サポート」に関する調査を実施しました。調査によれば、外国人旅行者はチェックイン時や日本独特の雰囲気を持つ部屋や施設を利用する際、地元の名所に関する情報を求めるときに困難を経験しております。さらに、2023年のSoranews24による調査では、外国人が言語の壁や翻訳されたサインの品質に対する不満を感じており、課題が続いていることが示されています。

5.多様な旅行目的の達成

 研究によれば、外国旅行者は観光名所の訪問、ショッピング、地元の特産品を楽しむこと、伝統的な宿泊施設である旅館に滞在すること、温泉を楽しむことなど、様々な旅行目的を持っています[JTB、2018]。宿泊施設に対する全体的な満足度は高いものの、外国人旅行者は日本の旅館に関して具体的な不満を述べています。
 不満の内容は、部屋の狭さや老朽化した施設、高い価格や日本人との限られた交流など様々あり、中でも1日2食提供する伝統的な慣習は、外国の観光客には不評であることが多いようです。日本の宿泊業界における訪日外国人に対する研究では、満足度に影響を与える要因として、食事の品質、部屋のケア、付帯施設、従業員の顧客サービスへの態度などが挙げられております。また出会いや交流、新しい経験、利便性などの要因が、訪日外国人の満足度の形成において重要であることが明らかになっています。

結論

 旅館は、本格的な日本の体験を求める訪日外国人にとって独自の魅力を持っています。
これらの旅行者が旅館を予約し、滞在する際に直面する課題を認識し、対処することでゲストの満足度とロイヤルティを向上させることに繋がります。
 より柔軟に部屋の選択を提供し、国際基準に予約システムを整え、食事制限を受け入れ、高品質な多言語サポートとサインを提供することで、旅行者は日本での旅行を忘れられない思い出として持ち帰ることができ、旅館はインバウンド観光の成長に貢献しつつ、日本の文化遺産の本質を維持することができるでしょう。

 館内情報や周辺観光情報を多言語化できる「プライムコンシェルジュ」や、24時間対応可能な「電話通訳サービスマルコ」などをはじめ、プライムコンセプトでは様々なインバウンド受入対策のサポートをご用意しております。


 インバウンド対策ラボ(アビリブグループ)では、多言語サイト制作インバウンドプロモーションインバウンドメディア掲載など各種インバウンド対策支援を行っています。
 特にホテル旅館など宿泊・観光業の実績多数。これまでの知見を活かしたご提案をさせていただきます。
 

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